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大友直人が語る、巨匠フセイン・セルメットと超絶技巧の難曲|東京オペラシティシリーズ 第140回

フセイン・セルメット



1998年に東京交響楽団と初共演以来、定期演奏会や海外公演など、数多くのステージを共にしてきたトルコの巨匠フセイン・セルメット。彼を「四半世紀来の友人」と慕うマエストロ大友直人のタクトの下、バルトークの難曲「ピアノ協奏曲第2番」で10年ぶりに東京オペラシティの舞台に立つ。


 「フセイン・セルメットさんは、知る人ぞ知るヨーロッパを代表する実力派の大家です。トルコ人ですがパリ音楽院出身。パリ音楽院ではピアノだけではなくメシアンやブーランジェのもとで作曲の勉強をした作曲家でもあります。



 ヨーロッパを中心に演奏活動をしているオールマイティーのベテランピアニストですが特にフランスと、もちろん母国トルコでの知名度は抜群です。長きにわたりヨーロッパの音楽シーンを支えている貴重な音楽家の1人と言えるでしょう。



セルメット



フセイン・セルメット ⒸMat Hennek



私とセルメットさんの出会いから既に四半世紀になります。それは東京交響楽団とバルトークのピアノ協奏曲第3番をフランスのオーヴィタスレーベルに録音したところから始まりました。以来すっかり意気投合し東響、京響、フランスのロレーヌ国立管でラヴェル、ラフマニノフ、ショパン、リスト、メンデルスゾーン、ブラームス、モーツァルトなど様々な作品を共演してきました。



 2001年の東京交響楽団のトルコ演奏旅行はセルメットさんの尽力により実現したものです。



この旅行で初演されたセルメットさん作曲の粋な管弦楽曲のタイトルは「夢と悪夢」。作曲が締め切りに間に合わなくなり苦しんだ状況そのままを曲名にしたというユーモアの持ち主でもあります。



 またセルメットさんは長年、京都フランスアカデミーの教授をつとめ、2009~10年にはNHK「スーパーピアノレッスン」に講師として出演していました。親日家の彼の薫陶を受けた日本のピアニストも多いと思います。その後、彼は多忙を極め、残念ながらしばらく日本での活動がありませんでした。今回が本当に久々の来日になります。私と東京交響楽団との初共演がバルトークだったことから今回はバルトークのピアノ協奏曲第2番ではどうか?とのリクエストがセルメットさんからありました。彼ならではの提案です。



 数あるピアノ協奏曲の中でも極めて演奏が難しいことでも知られる作品ですが、バルトークの音楽の魅力が濃厚に味わえる名作です。抜群の感性と知性を合わせ持つセルメットさんとの久々の共演はスリリングな興奮に満ちたものになることでしょう。本当に楽しみです。」(大友直人)



 



チラシ



東京オペラシティシリーズ 第140回



2024年7月7日(日)14:00開演(13:30開場)

東京オペラシティコンサートホール



指揮=大友直人

ピアノ=フセイン・セルメット



バルトーク:ピアノ協奏曲 第2番

エルガー:交響曲 第1番



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