東京交響楽団

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ロレンツォ・ヴィオッティとの出会い|9/23 第714回定期演奏会

Viotti



東京交響楽団とロレンツォ・ヴィオッティとの出会いは2014年。招聘を担当した辻事務局長は当時をこう振り返る。


 



辻:当時、足の手術とその後の療養のために来日を見合わせたクシシュトフ・ウルバンスキ氏の代役を探すため、複数のマネジメント会社と連絡をとりつつ、Webなどで様々な指揮者の映像を探していました。そのとき、欄外にあった一つの動画が目に留まり、何気なくチェックしました。





動画に映るのは、ロレンツォ・ヴィオッティ、当時23歳。この動画が撮影されたのちに「カダケス国際指揮コンクール」「ライプツィヒMDRコンクール」で優勝していたが、まだプロのオーケストラを振ったことのない青年だった。


 



辻:細身で青白い青年が振る《ラ・ヴァルス》。とても若いけれど、言葉にできないようなオーラを放っていたので『彼に代役を頼もう』と決めました。​彼がイタリア・オペラの巨匠マルチェッロ・ヴィオッティの息子であることには、当初気が付きませんでした(笑)。初めてのプロオケということで、本人もかなり緊張した様子でしたね。ソリストはチェロの巨匠ゲリンガスでしたし(笑)。本人の希望で曲目も変更し、スメタナ「我が祖国」からモルダウだけを残して、代わりにチャイコフスキー:交響曲 第4番を追加することになりました。もちろん、この演奏会も素晴らしかったのですが、彼が凄いのはここからでした。



 



その後、2016年9月にR.シュトラウス《薔薇の騎士》組曲、2019年1月にヴェルディ《レクイエム》、2019年7月にはドヴォルザークの交響曲第7番と、着々と共演を重ねていく。


 



辻:リハーサルはかなり厳しいのですが、来日する度に毎回パワーアップしていて、段違いに良くなっていく。どの曲も、とても完成度が高いので『どこで振ったの?』と聞くと、さらっと『いや、今回初めて振るよ』と言ってのける。凄い指揮者になるぞと思っていたら、あっという間に世界中のオーケストラや歌劇場から声がかかる人気指揮者になりました。



Viotti

2019年1月 第667回定期演奏会にて



Viotti

2019年7月 東京オペラシティシリーズ第110回にて



今回4年ぶりの共演に選んだのは、ボリューミーな「英雄」2曲だ。


 



辻:コロナ禍や、ヴィオッティ自身のオペラの仕事が重なり、なかなか来日が決まらなかったんです。ラインナップ発表のギリギリまで予定を調整して、ようやく叶った共演です。曲目は『古典か、もしくは英雄の生涯をメインに据えるのはどうか?』とWhatsAppで聞いてみたら、本人から電話がかかってきて『英雄の生涯で、前半はEroicaに』と。正直、ヘビーだな!と思いましたよ(笑)。でも、楽しいかなとも思って。



 



ちなみに先述の《ラ・ヴァルス》の動画を見たことを本人に伝えたところ、笑ってこう返されたという。


 



『顔色がすごく悪かっただろう? 盲腸の手術を受けて、退院直後だったんだ(笑)』



文/事務局



チラシ



第714回 定期演奏会



2023年9月23日(土・祝)18:00開演(17:15開場)

サントリーホール



指揮=ロレンツォ・ヴィオッティ



ベートーヴェン:交響曲 第3番 「英雄」

R.シュトラウス:交響詩 「英雄の生涯」 



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