『Go for Next!』
2016年創立70周年のヨーロッパツアーの最終公演の翌朝、ノット監督を空港へ送り出す際に言われた一言です。ツアーの余韻に浸ることもなく、その翌朝には未来への歩みを進めようとするノット監督の強さに大きく背中を押され、ノット&東京交響楽団はその後も数々のプロジェクトで成果を上げてきました。
そして今、新型コロナウイルスの感染の影響による長い活動休止を経て、ようやく光明が見えてまいりました。
無観客のLive配信としては、東京交響楽団がフランチャイズする川崎市の全面的援助による、マッチングギフトコンサートを6月下旬より3公演開催致します。
お客様をお迎えしての演奏会としては、6月26日定期演奏会と6月28日川崎定期演奏会より、再開の準備を進めます。但し、東京都の定めるロードマップStep3へ移行できない場合や、行政の指導、今後の感染状態によっては、再び公演中止あるいは延期となる可能性もございますが、東京交響楽団としては、この細いながらも眩しい光明を目指し、再開の準備を進めてまいります。
公演の再開にあたっては、公的機関や各都道府県、各ホールのガイダンスに従い、徹底した新型コロナウイルス感染症対策のもと実施準備を致します。お客様、演奏者そしてスタッフ、全ての人の安全を期すため、座席の変更やその他にも多くの規制が設けられており、お客様へは不自由なことも多いかと存じますが、この難局を乗り越えるためにも、何卒ご理解・ご協力頂けますよう伏してお願い申し上げます。
また、緊急事態宣言の最中にあって、ご支援頂きました川崎市およびミューザ川崎シンフォニーホール、新潟市とりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館、スポンサーの皆様、そして多くのTSOファンと音楽関係者の皆様へ、心より深くお礼申し上げます。皆様のご支援がいかに大切なものであったか、改めて痛切に感じております。心からの演奏でお返しすることを、楽団員一同お約束致します。
文化庁はじめ国・地方公共団体、また公文協・指定管理者や企業など公演を主催される皆様には、公演の補償をご検討頂き、厚くお礼申し上げます。しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症の影響による公演の中止が、我々オーケストラや音楽関係者は元より、多くの芸術に関わる人々に残した傷跡は、なかなか短い期間に癒せるものではありません。特に収支相償が義務づけられている公益財団法人のシステムでは、内部留保が非常に少ない状況で運営せざるを得ず、今回の様な状況に自助努力だけで対応していくことは非常に困難です。また長期化が予想される感染症との共存を見据えつつ、演奏団体の生き残りを目指すために、最大限の必要な予防策を講じつつ、様々な新しいアイデアを生み出し、真摯に公演の実現に取り組んで参りますが、より柔軟で現実的なご支援や対応策をご検討頂けますようお願い申し上げます。
『Go for Next!』
東京交響楽団は、新しい未来に向かって、次の一歩を踏み出します。皆様からの、変わらぬご支援・ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2020年6月5日
公益財団法人 東京交響楽団
■主催公演開催時における、新型コロナウイルス感染拡大の予防に関する取組みとお願い