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桂冠指揮者秋山和慶、ユベール・スダーンが第23回渡邉暁雄音楽基金 特別賞を受賞

桂冠指揮者秋山和慶とユベール・スダーンが、このたび「第23回渡邉暁雄音楽基金 特別賞」を受賞いたしました。



「公益信託 渡邉暁雄音楽基金」は、故・渡邉暁雄氏が日本の音楽文化に残した多大なる業績を引き継ぎ、日本の音楽界の発展を願って1992年に設立されたもので、同「特別賞」は、オーケストラ界に多大なる貢献を果たした関係者に贈られます。



本日6月10日(水)、都内で行われた受賞式に秋山和慶が出席、ユベール・スダーンは公演のため欠席しましたが、メッセージを寄せました。尚、今年度の同音楽賞は川瀬賢太郎氏が受賞されました。



今回の受賞理由 要旨



秋山和慶氏は1964年に東京交響楽団にデビュー、その直後、経営破たんした同団を一から立て直し、同時に日本のオーケストラ文化の発展に寄与して参りました。札幌交響楽団と広島交響楽団ではシベリウスを中心とした北欧作品に取り組み、東京交響楽団とは古典から現代音楽までの幅広いレパートリーを武器に様々な日本初演を手掛けるなど、その活動は全国、さらには海外にまで至ります。昨年度、指揮活動50周年を迎え、文化功労者への選出など目覚ましい活躍が見られました。秋山氏の日本音楽界の発展への貢献は特別賞に値するものである。



ユベール・スダーン氏は2004年東京交響楽団音楽監督に就任以来、2014年に桂冠指揮者となるまで、同楽団の演奏力の向上に尽くされました。シーズンごとにテーマを決めたり古典的奏法を取り入れるなどし、オーケストラに必要な演奏法を指導された結果、スダーン氏の指揮による東京交響楽団の演奏は常に話題を呼び、聴衆に喜ばれるだけでなく音楽批評家からも常に高い評価をえることとなりました。近年では、音楽大学のオーケストラを指揮することを通じて、さらに日本のオーケストラ活動の向上・発展に寄与し続けており、特別賞に値するものである。



 



秋山和慶 受賞のことば



「無我夢中でやってきてあっという間の50年だったなと思います。日本のオーケストラをどんどん伸ばして、世界に発信できるようにしていきたいと思います。」



 



ユベール・スダーン 受賞のことば



「このたびの渡邉暁雄賞特別賞の受賞は、私にとって大変大きな名誉です。また、私の師であるジャン・フルネ氏が以前に同じ賞を授与されたことも、大変光栄に感じています。フルネ氏は私の才能をとても早くから認めて下さった方で、彼が音楽監督を務めていたオランダ・ヒルフェルスムの協会に所属する全ての放送オーケストラのアシスタント・コンダクターになれたことも、彼のおかげでした。日本で大変愛される指揮者・探究者となったのも、彼の人柄によるものと思います。彼は、常に音楽に忠実にあるべきで、誠実な音楽家になるよう教えて下さいました。



指揮者にも幾つかのタイプがあります。自分の経歴や栄光のために音楽を使う指揮者もいるでしょう。他方で、作曲家や、それぞれの国の音楽や“Music Life”に仕える指揮者もいます。後者には、渡邉暁雄氏や私の古い友人であった岩城宏之氏、敬愛する朝比奈隆氏などが思い浮かびます。そして彼らこそが、正にその人生を日本のオーケストラの発展に捧げたのです。彼らの様な先人の意思を引き継いで創設された、また彼らの様な先人に授与された賞を今回受賞することになり、本当に幸せだと感じています。



私は、日本のオーケストラと音楽作りをすることを心から楽しんでおります。近年では音楽大学フェスティバルオーケストラや桐朋学園オーケストラなど、若い世代の演奏家たちとも共演しております。これからも日本での“Music Life”に長く仕えていきたいと考えております。最後に今回の受賞に際してご尽力頂いた全ての方々に感謝申し上げます。」



 



受賞式写真1