待望の東響初登場!企画制作担当が語る、
実に7年越し!! ブランギエ招聘の決め手 | 9月定期・川崎定期演奏会特集③

9月定期・川崎定期演奏会特集

ブランギエ氏を招聘することを固めていく中で、更に分かったことがあります。それはブランギエ氏のプログラミングの素晴らしさ。

私はプログラミングには二つの要素があると考えています。一つは感覚的な曲の組み合わせのセンス、もう一つはストーリーや物語があるかどうか。ブランギエ氏は、その両方を持ち合わせているように思います。
一つ目の「組み合わせのセンス」は、ワインと料理の相性や服飾の色合わせ等とも似ていて、とても感覚的で言葉にするのは難しいのですが、ブラームスとプロコフィエフの組み合わせは意外と合う!と感じています。昨年ノット監督もブラームスのピアノ協奏曲第2番とラフマニノフの交響曲第2番をカップリングしていましたが、ブラームスとロシアもののロマンチシズムは、違いもありながら意外に合うと感じています。
もう一つの「ストーリー性」では、特に既に発表された来年度のプログラムが、全く持って素晴らしいと思っています。ハンガリー生まれのコダーイとバルトークが戦時中に作曲した2つの「管弦楽のための協奏曲」に、ほぼ同時代に作曲されたショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を合わせた、機知にあふれたプログラミングです。時事問題にまで連想が及ぶ、本当に素晴らしいプログラムだと思います。

センスと機知に溢れたブランギエ氏のプログラミングを、是非堪能して頂ければ幸いです。

文:辻 敏(東京交響楽団事務室長)

公演情報


【9月定期・川崎定期演奏会特集】
実に7年越し!! ブランギエ招聘の決め手①
実に7年越し!! ブランギエ招聘の決め手②

9月定期・川崎定期演奏会特集