楽団について ABOUT TSO

ヴィオラ

Viola

青木 篤子
Atsuko Aoki

首席奏者
Principal

入団年:2008年
出身地:兵庫県姫路市

桐朋学園大学、同大学研究科を経て、洗足学園音楽大学ソリストコースにて学ぶ。ヴァイオリンを藤井たみ子、故東儀幸、原田幸一郎の各氏に、ヴィオラを岡田伸夫氏に師事。第15回宝塚ベガ音楽コンクール、第2回名古屋国際音楽コンクール、第2回東京音楽コンクールにて、それぞれ第1位を受賞。倉敷音楽祭、ヴィオラスペース、サイトウキネンフェスティバル、東京のオペラの森等に出演。これまでにソリストとして東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団と共演している他、2012年にはオペラシティ主催リサイタルシリーズ「B→C」に出演。またヴェーラ弦楽四重奏団メンバーとしてベートーヴェンの弦楽四重奏ツィクルスに取り組むなど、室内楽の分野でも幅広く活動している。

Q&A

  • 初めて好きになった曲は? ヴェルディ:歌劇《アイーダ》
  • 最近ちょっとハマっていること リンパマッサージ
  • 本番前はどんなふうに過ごしていますか? 本番で集中できるよう、なるべくリラックスします。
  • ベートーヴェンで好きな作品は? 《弦楽四重奏曲 第14番》
青木 篤子

インタビュー

合唱からオペラに憧れて
 両親の勧めでヴァイオリンを始めたものの、小学生の頃に夢中になったのは楽器ではなく合唱。中学ではもっと本格的にやりたいと思って合唱部へ入り、仲の良い子と二重唱でコンクールに出たりしました。しかしもともと少ない部員は更に減り、先輩たちが引退すると私一人だけに。
 ただそれは、声楽経験者である顧問の先生に個人レッスンをしてもらえるという良い一面もあり、この頃から私はオペラに夢中になっていきました。中でも憧れはヴェルディの《アイーダ》。当時思い描いた人生設計図では、今頃はスカラ座でアムネリス役を歌っていたはずです。

ノット監督のダ・ポンテ三部作
 高校の頃に歌の道は諦めて弦楽器を選びましたが、実は東京交響楽団のオーディションを受けたのもオペラがきっかけ。新国立劇場をはじめ舞台公演もこなす楽団ということで、たとえ自分が歌うのではないにしても演奏で参加したいと思ったのです。
 ですから、オペラを演奏することの多い冬は楽しみな季節です。特に12月にノット監督とミューザ川崎で演奏したモーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》は、ここ最近で一番印象深い公演でした。ハンマーフリューゲルを巧みに奏でるノット監督は、いたずらっ子のように生き生きとしていて、またピットに入らずに歌手と同じ舞台で演奏できるのは、自分もオペラの一員というのが感じられて幸せなひとときでした。
 ところで、このくらいの小編成に合うオペラ専用のホールがいつか日本にもできないものでしょうか。下北沢で演劇をみるような感じの、客席と舞台が近い「小屋」があったら面白いと思います。

青木 篤子
楽団メンバーとのヴィオラ四重奏では、
第1ヴァイオリンフォアシュピーラーの木村さんも
楽器を持ち替えて参戦。

ヴィオラ弾きはいぶし銀?
 2016年のヨーロッパツアーで訪れたウィーンで、バイエルン放送響のメニングハウスさんにばったりお会いしました。長身の彼は50cm近くあるヴィオラを弾くのですが、私の楽器は40.5cmですからその差は一目瞭然です。
 でも、それほど大きくても音響学的には鳴るのに必要なサイズを満たしていないというのがヴィオラの面白いところ。これこそがいわゆる「いぶし銀」の音色を生むのですが、だからといって渋いだけの楽器ではありません。鳴らしにくいからこそ出せる多彩な音があるのです。
 ヴィオラ奏者は大人しい人が多いと思われがちですが、そんなことはありません。実際、東京交響楽団のヴィオラセクションも、個性的かつ芯が強く、熱いものを内に秘めた人たちばかりです。これからもそんな素敵なメンバーと一緒に、ヴィオラの多彩な表現の可能性を追求してきたいと思います。



このインタビューは演奏会プログラム「Symphony」2018年1月号に掲載されたものです。現在と情報が異なる場合がございます。

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