楽団について ABOUT TSO

アシスタント・コンサートマスター

Assistant Concertmaster

田尻 順
Jun Tajiri

入団年:1994年
出身地:埼玉県大宮市(現さいたま市)

本間美子、故久保田 良作の各氏に師事。桐朋学園大学卒業。1988年卒業と同時に群馬交響楽団に入団、在籍中は首席代理奏者を務める。
ソロや室内楽においても活躍し、1990年には群馬交響楽団とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を共演している。1990年アフィニス文化財団の短期セミナーに参加。
1991年には川口リリアホールに於いてデビューリサイタルを開く。1994年5月“プラハの春”国際音楽祭、ウィーン芸術週間に参加。1991~97年宇都宮短期大学付属高等学校の講師を務める。
1994年首席奏者として東京交響楽団に入団、同オーケストラとの共演や皇居内での御前演奏を行う。1998年東京交響楽団のアシスタントコンサートマスターに就任。2000年NHK-FMリサイタルに出演。
ストリングアンサンブル“ヴェガ”のメンバー、シリウス弦楽四重奏団の活動も行っている。

Q&A

  • 初めて好きになった曲は? チャイコフスキー:《ヴァイオリン協奏曲》
  • 最近ちょっとハマっていること ワインを飲むこと。部屋の模様替え。
  • 本番前はどんなふうに過ごしていますか? 仲間と談笑したり、個人練習したり。
  • モーツァルトで一番好きな作品は? 《コジ・ファン・トゥッテ》
田尻 順

インタビュー

田尻 順
小学生のころ

小学1年生の決意
 ハイフェッツの協奏曲をかければ泣き止む。そんな子供だったそうです。両親が音楽の教師だったこともあり、レコードを聴いて育ちました。最初にピアノを始めたのですが、発表会でスキップしながら入場したことを怒られて辞めてしまい、それからヴァイオリンに。小学1年生になる頃にはすでにコンサートマスターに憧れていて、将来音楽の道に進むであろうことも何となく分かっていました。

 それでも、高校受験の際には音楽科を受けるか悩み、先生や両親の勧めで結局は普通科を受験しました。合格発表で自分の受験番号を見た瞬間に「何やってんだろうな」と思ったことを憶えていますが、それほど音楽に夢中だったのです。高校では、中学で始めた吹奏楽を続けようと思っていたものの、活動時間が長いためにヴァイオリンの練習がままならず、泣く泣く1年生の秋に退部。この頃からヴァイオリン一筋ですが、部活動の中で知ったアンサンブルの楽しさや金管楽器の経験は、今のオーケストラ活動にも少なからず活きているように思います。

秋山先生の一挙手一投足を……
 桐朋学園大学の4年生の頃、秋山和慶先生の指揮でマーラーの《交響曲 第4番》を演奏したことがあります。ちょうどサイトウ・キネン・オーケストラが始まったばかりの頃で、もう途方もない巨匠に見えたものです。東京交響楽団に入ってからは数えきれないほど共演していますが、当時からは考えられないことですね。
 入団した頃はすでに秋山&東響のコンビには30年の歴史があり、誰もが秋山先生の一挙手一投足を分かって演奏できるという状態。セクションのトップとして演奏の中で主張していく必要があるはずなのに、初めからぴったりと揃っているのですから本当に驚きました。重厚でロマンティックな演奏を得意とする名匠でありながら、人を楽しませる術をも分かっている秋山先生だからこそ到達できる境地のように思います。

コンサートマスターのアンプとして
 アシスタント・コンサートマスターは、コンサートマスターの急病時に代わることを前提としたポジションなのですが、普段はその隣で弾いています。使命はコンサートマスターの考えをいち早く感じ、それをアンプのように増幅させること。リハーサルの前に「この指揮者はこんなアプローチで来るのでは?」とある程度予想を立ててから臨むものの、ノット監督の場合は通用しないことばかり。それもまた面白く、新しい風が自分の中に吹いてくるのを感じます。



このインタビューは演奏会プログラム「Symphony」2017年1月号に掲載されたものです。現在と情報が異なる場合がございます。

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