楽団について ABOUT TSO

ファゴット

Bassoon

福士 マリ子
Mariko Fukushi

首席奏者
Principal

入団年:2010年
出身地:東京都立川市

東京藝術大学をアカンサス音楽賞を受賞し首席卒業。皇居内桃華楽堂において御前演奏を行う。第27回日本管打楽器コンクールファゴット部門第1位、併せて特別大賞を受賞。第23回出光音楽賞、第24回新日鉄住金音楽賞“フレッシュアーティスト賞”をファゴット奏者として初めて受賞。サイトウ・キネン・フェスティバル、別府アルゲリッチ音楽祭、東京オペラシティ主催「B→Cリサイタルシリーズ」、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」等に出演。ソリストとして東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団等と共演。ソロや室内楽の分野においても幅広く活動している。
これまでにファゴットを大畠條亮、岡本正之、水谷上総、岡崎耕治の各氏に師事。東京交響楽団首席ファゴット奏者。紀尾井ホール室内管弦楽団メンバー。洗足学園音楽大学非常勤講師。

Q&A

  • 初めて好きになった曲は? ベルリオーズ:《幻想交響曲》
  • 最近ちょっとハマっていること 簡単なストレッチ
  • 本番前はどんなふうに過ごしていますか? ゆっくり過ごしてから音だしをします
  • チャイコフスキーで好きな作品は? 《ロココの主題による変奏曲》
福士 マリ子

インタビュー

ファゴットってカッコいい!
 中学生になったら剣道をやろう。そう決めていたのに、いざ入学してみると剣道部は廃部。意気消沈の私が叩いたのは音楽室の扉でした。小学生の頃から合唱の伴奏が好きでしたから、伴奏の役割を担うことの多い低音楽器は合っていたのでしょう。気が付けばファゴットに夢中になっていました。私たちの吹奏楽部は10人ほどの超小編成だったため、演奏するのはグノーやモーツァルト、ハイドンなど古典派の室内楽が中心。普通の吹奏楽部とは全く違いましたが、このときの経験は今にも活きていると思います。

オーディションは指示だらけ
 東京交響楽団へ入団したのは東京藝大を卒業した翌年。当時の音楽監督はユベール・スダーンさんでした。オーディションではオーケストラ・スタディといって様々な曲の重要箇所を抜粋で演奏するのですが、これは通常ならば淡々と進行していくのが普通です。ところがスダーンさんから飛んでくるのは、「もっとヴィブラートを」「ダイナミクスは正確に」「もっと悲しげに」という細かな指示。
 「これは落ちた……」 教科書的な吹き方ばかり練習してきた私は、ショックのあまりしばらく楽屋で虚脱状態でした。すると、楽団長が颯爽と登場して「これから宜しく」と一言。最初は何のことか分かりませんでしたが、それが合格という意味だと分かると、喜びが沸き上がってきました。

父と二人で音楽づくり
 2012年にオペラシティの「B→C」に出演しました。「Bach to Contemporary」という名の通り、このリサイタルシリーズはバッハと現代音楽を曲目に含めなければいけないのですが、私は現代曲を演奏したことがほとんどない。さて、どうしたものかと悩んでいたときに思い浮かんだのは、作曲家である父の姿でした。
 そこで、私は思いきって無伴奏の新曲を頼むことに。父は練習室の隣の書斎で普段から私の音を聴いていたために既にイメージが固まっていたらしく、新しい奏法や効果についてその場で話し合って、《竜夢》という新曲が生まれました。
 どう聴かせるか、どう楽器の魅力を引き出すか、アプローチは違っても作曲家が考えることに大きな違いはないのでしょう。バッハも現代音楽もそれほど変わらないと気づきました。どのようなイメージで吹けば良いか直接作曲家に尋ねられるのは幸運なことでした。一方通行ではない音楽づくりは新鮮な経験で、より音楽の世界を広げることができたのは父のおかげです。



このインタビューは演奏会プログラム「Symphony」2017年9月号に掲載されたものです。現在と情報が異なる場合がございます。

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