楽団について ABOUT TSO

チェロ

Cello

川井 真由美
Mayumi Kawai

フォアシュピーラー
Vorspieler

入団年:2004年
出身地:千葉県市川市

東京音楽大学卒業。堀了介、藤森亮一の各氏に師事。在学中、特待生奨学金を受ける。東京文化会館新進音楽家デビューコンサート、第73回読売新人演奏会に出演。
第18回アフィニス夏の音楽祭に参加し、ヘルマー・シュティーラー、ウェン=シン・ヤン両氏のマスタークラスを受講。
第3回東京音楽コンクール弦楽部門第二位。
飯森範親指揮、東京交響楽団とベートーヴェンのトリプルコンチェルトを共演。東京文化会館50周年記念事業「東京音楽コンクール入賞者ガラコンサート」に出演。
ピアニストの菊地裕介氏、田村響氏とソロリサイタルをするなど、ソリストとしての活動も精力的に行っている。
2014年9月より1年間、文化庁海外派遣研修員として渡欧。ミュンヘン音楽大学にてウェン=シン・ヤン氏に師事。また、ハンノ・シモンス氏、ヤーコブ・シュパン氏の薫陶も受ける。
現在、東京交響楽団チェロ・フォアシュピーラー奏者。

Q&A

  • 初めて好きになった曲は? シベリウス:交響詩《フィンランディア》
    チェロを始めた小学校4年生の頃、管弦楽部で初めて演奏してコンクールで全国1位をいただいた思い出の曲です。
  • 最近ちょっとハマっていること ヨーロッパ各地の食器集め
  • 本番前はどんなふうに過ごしていますか? 各ホール近くのお気に入りのお店に寄ったりして、リラックスできるように過ごしています。
  • マーラーで好きな作品は? 歌曲、《交響曲 第4番》
川井 真由美

インタビュー

1年間の留学生活
 「ここは、窓を開けて愛を叫ぶように!」
 元バイエルン放送響のウェン=シン・ヤン先生のレッスンは、いつもエネルギッシュ。私はこの先生にチェロを学ぶため、2014年9月から2015年8月までの1年間、ドイツのミュンヘンへ留学しました。レッスンでいつも尋ねられたのは「真由美はどう弾きたいんだ?」という質問。それまでは表現力に悩んでおりましたが、情熱的な言葉に感化されて「こう弾きたい」という主張がはっきりと芽生え、演奏の幅が大きく広がりました。ドイツ語が上達し、帰国後に指揮者やソリストと臆することなくコミュニケーションが取れるようになったのも、大きな成果の一つです。

川井 真由美
ヤン先生&門下生とのカルテット

R.シュトラウスの見た風景
 留学では「日本ではできないことに取り組もう」と決め、作曲家ゆかりの地をいくつも探訪しました。とりわけ印象的だったのは、ドイツアルプス最高峰のツークシュピッツェ。ここはリヒャルト・シュトラウスの《アルプス交響曲》の舞台であり、シュトラウスの邸宅からの眺望はまさに絶景でした。ただし実際に登ってみると、下から眺めているのとは全くの別世界。岩壁に打ち付けられたはしごの前でやむなく断念しましたが、帰国してからもシュトラウスの作品を演奏する度に留学中に見た風景を思い出します。作曲家と同じ景色を見ることでその音楽への共感が強くなるのかもしれません。

バイエルンのおじいさん
 午前中は語学学校、午後は練習という毎日でしたが、夜のコンサート鑑賞も重要な勉強の一つでした。バイエルン国立歌劇場で観た《ニーベルングの指環》全4作品や、ヤンソンス&バイエルン放送響の演奏で聴いた《展覧会の絵》は特に忘れられません。  ある日《トスカ》を観ようと歌劇場に向かうと、当日券完売の文字が。「どうしようか」と困っていると、近くのおじいさんが「シーズン券を1週間貸してあげよう。後でポストに投函して返してね」と優しく話しかけてくれ、おかげで公演を楽しむことができました。バイエルンの魅力はこのような人の温かさにあるのでしょう。留学中の大切な思い出の一つです。



このインタビューは演奏会プログラム「Symphony」2016年6月号に掲載されたものです。現在と情報が異なる場合がございます。

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