楽団について ABOUT TSO

クラリネット

Clarinet

小林 利彰
Toshiaki Kobayashi

入団年:1983年
出身地:東京都台東区

*Facebookをご覧下さい。

Q&A

  • 初めて好きになった曲は? 小学生のときに合奏した《白鳥の湖》が、最初に出会ったクラシック音楽かもしれません。
  • 最近ちょっとハマっていること カメラ、落語など日本の話芸、ワイン、自転車・街歩きなど、常に沢山あります。
  • 本番前はどんなふうに過ごしていますか? 仮眠をとっています
  • チャイコフスキーで好きな作品は? バレエ音楽《くるみ割り人形》
小林 利彰

インタビュー

小林 利彰
ヴェニスで撮ったお気に入りの一枚

 ワインにオーディオ、日本の話芸、集めたメガネは50本……趣味はたくさんありますが、最近は昔撮った写真をフィルムスキャナーでデジタル化することにハマっています。少しずつ取り込んでいると、懐かしい思い出も蘇ってきます。写真を始めたのはウィーンに留学していたころ。私はドイツ式の楽器を手に本場へ乗り込んだ10代の青年でした。

ドイツ式 VS. フランス式
 クラリネットには大きくドイツ式とフランス式があります。私がドイツ式に巡り合ったのは高校1年生のときでした。同じ楽器の同級生に教わり、プリンツやライスターのレコードを聴いてその音色に惚れてしまったのです。しかし、日本でドイツ式を吹いている人は皆無。 「ドイツ式では日本のオケには入れない」そんな風潮すらありました。恐る恐る先生に相談してみると「やってみないことには分からないじゃないか」とのお返事。「ドイツ式をやるなら現地で習ってこい」という言葉に導かれ、高校を卒業すると同時にウィーンに飛びました。
 ウィーンのクラリネットといえば、ドイツ式のハンマーシュミット製です。当時はこの楽器に合うリードが売っていなかったので、オーボエ奏者のように自分で削っていました。そして、ウィーンはもともと基準ピッチが日本よりも高く、さらに音程よりも音色が重視されます。そんな環境で5年過ごしたものですから、帰国して東響に入った当初はピッチが合わなくてもう大変。ただ、当時の東響には改良ベーム式(管体はドイツで運指はフランス)を吹いていた村井祐児さんや磯部周平さんの影響が残っていましたので、ドイツ式の楽器に理解があり、大変助けられました。

楽器の進化が演奏を変える
 そのころ、ウィーンで同級生だったヴェンツェル・フックスがベルリン・フィルに入ったのですが、あれほどこだわっていたハンマーシュミットからヴァリッツァー(ドイツ式)に楽器を持ち替えたという。驚きつつも同じ楽器を手にしてみると、これがなんとも吹きやすく音程も安定しやすい。高性能なカメラが次々に登場しているように、楽器も日々進化しているのです。
 今月のヨーロッパツアーでは、この留学以来33年ぶりにウィーン楽友協会のステージに立ちます。東響の音がどのように響くのかとても楽しみです。



このインタビューは演奏会プログラム「Symphony」2016年10月号に掲載されたものです。現在と情報が異なる場合がございます。

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